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大腸カメラの下剤選び―薬の違いを専門医が本音で解説します

―前処置薬の種類と、内視鏡専門医としての本音レビュー

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)でいちばん大変なのは、
実は「検査そのもの」より 前日に行う腸の洗浄(前処置) かもしれません。

腸の中に食べかすや便が残っていると、

ポリープや早期がんを見落とす

検査時間が延びる

つらいのにやり直し…

といったことにつながります。

内視鏡専門医として20年、毎日のように大腸カメラをしてきた立場から、代表的な前処置薬の特徴と、本音のコメントをまとめました。

おすすめの下剤の飲み方の動画を見る


1. 腸の洗浄(前処置)って何をしているの?

前処置薬(洗浄液)は

腸の中に残っている便や食べかすを洗い流す

大腸の粘膜をきれいにして、隅々まで観察できるようにする

ための飲むお掃除薬です。

味や量、飲みやすさ、洗浄力は薬ごとにかなり違います。
「どれを使うか」で、患者さんの負担も、検査の質も変わります。


2. 主な前処置薬の種類と特徴

①サルプレップ

― 少量で済む、近年人気の低容量タイプ

■ 特徴

全量:サルプレップ 500mL + 水1L(合計1.5L)

比較的飲みやすい

洗浄開始が早い

■ メリット

とにかく 飲む量が少ない

甘じょっぱい味で、慣れれば飲みやすい

泡が少なく、観察しやすい(検査の質が上がりやすい)

■ デメリット

腎機能に配慮が必要なケースがある

稀に胃のムカムカ感

■ 立之コメント
「飲む量が少ないのは圧倒的メリットです。少しケミカルな味がして、特に女性は苦手な方も一定数いる印象ですが、腸の中の泡が少ないので検査しやすいです。」


② モビプレップ

― 洗浄力最強クラス、当日検査向き

■ 特徴

全量:約1〜2L

洗浄力が非常に強い

味は少ししょっぱい梅ジュース風

■ メリット

洗浄力がとても強く、当日朝からの前処置にも向く

追加量で調整できるため、失敗しにくい

■ デメリット

味が苦手な方もいる

飲むスピードに個人差が出やすい

■ 立之コメント
「冷やして飲むとかなり飲みやすいです。だいたい 1L 飲めばほぼきれいになりますし、足りなければ追加で飲める調整しやすさも優秀。当院では現在 中心選手 として使っています。」


③ マグコロール散

―飲みやすさNo.1スタンダードタイプ

■ 特徴

全量:約1.8L

味がマイルドで刺激が少ない

■ メリット

味がほぼポカリスエット風で、飲みやすさNo.1

胃腸への負担が比較的少ない

多くの施設で採用されている“王道”の薬

■ デメリット

洗浄力はやや弱め

飲む量は多い

飲み切りタイプのため、足りないときに追加で調整できない

■ 立之コメント
「飲みやすさだけで言えばダントツ1位です。一方で洗浄力はやや弱く、「追加で少し足そう」ができないため、本気でポリープや早期がんを探しにいく当院の内視鏡検査にはやや物足りない印象があります。当院では『どうしてもこれがいい』という方に限定して使用しています。」


④ ピコプレップ

― 圧倒的に飲む量が少ない超低容量タイプ

■ 特徴

洗浄剤そのものは わずか150mL前後

別途、水やお茶を1L以上しっかり飲む必要がある

■ メリット

下剤そのものの量が圧倒的に少ない

味がよく、多くの方にとって「かなり飲みやすい」

■ デメリット

水分をしっかり飲まないと 失敗しやすい

腸の動きに個人差が出て、効き方にばらつきがある

■ 立之コメント
「薬そのものが少なくておいしいので、今まで前処置がほんとうに苦痛だった方には救世主的な存在です。ただし 追加の水・お茶をしっかり飲めることが大前提。水はあまり飲めませんという方には向きません。」


⑤ ニフレック

―昔ながらの王道。洗浄力は安定

■ 特徴

全量:約2L

味は薄い塩味で、ほぼ無味

■ メリット

医療現場での長年の実績があり、洗浄力は安定

カリウムを含まないため、腎機能が悪い方・透析中の方にも使いやすい

■ デメリット

とにかく量が多い

特に高齢の方にはかなりつらいことがある

■ 医師コメント
「正直、おいしいとは言えません。腎機能が低い患者さんや透析中の方に安全性に使いやすいのでニフレックを選ぶことがあります。」


⑥ ビジクリア(錠剤タイプ)

―錠剤+大量の水が必要(当院では採用していません)

■ 特徴

錠剤をかなりの錠数飲む + 多量の水分を摂取

便秘が強い方には不向き

■ 医師コメント
「錠剤は一見すると取り扱いが簡単そうに見えますが、実際には水分量の調整や排便コントロールの面で課題があり、当院では現在のところ慎重に検討を重ねております。」


3. どの前処置薬を選ぶべき?

ざっくり整理すると、次のようなイメージです。

・迷ったら:モビプレップ(洗浄力◎、追加調整もできて失敗しにくい)

・飲む量がとにかく少ない方がいい:サルプレップか ピコプレップ

・味の飲みやすさ重視:マグコロールP

・腎機能が悪い・透析中:ニフレック

最終的には、年齢・体格・腎機能・便秘の程度・生活スタイルなどを総合して医師側で「最も成功率が高い組み合わせ」を選んでご提案しています。


4. 前処置を上手に乗り切るコツ

前日の食事調整および水分を多めにとる(ただしアルコールは控えて)

基本は説明書どおりのペースで、少しペースを落としても大丈夫ですよ!

冷やすと飲みやすくなるものが多い

排便があれば途中でやめてしまわず、指定量はきちんと飲み切る、AIチェッカーも採用できます。

ワンポイントアドバイス。
最後は気持ちです。

「デトックス気分で腸を洗い流しているんだ」と思って、前向きなつもりで飲んでみてください。腸の洗浄は、自費診療で「腸洗浄」だけを目的に受けに行かれる方もいるそうです。大腸カメラの前処置は、「しっかりした腸デトックスを一度安価で体験している」くらいに捉えていただいてもいいかもしれません。


5. まとめ

大腸カメラの成功は、前処置=腸の洗浄がどれだけうまくいくか にかかっている

前処置薬には 量・味・洗浄力・安全性 の違いがある

モビプレップ、SULPREP、マグコロールP、ピコプレップ、ニフレック、ビジクリアなど、それぞれに向き・不向きがある

・当院では患者さん一人ひとりの体質や腸の状態を見ながら、最も成功率が高い前処置薬を一緒に選んでいきます

前処置は確かに楽なものではありませんが、そのひと手間で 将来の大腸がんを防げる可能性が大きく変わります。

「どうせやるなら、しっかり腸をきれいにしよう」そんな気持ちで一緒に乗り切っていきましょう!!

応援しています!!

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