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胃がん

STOMACH CANCER

胃がんについてABOUT STOMACH CANCER

胃の役割とは

胃はみぞおちの裏辺りに位置する袋状の臓器で、食べ物を一時的に溜めておいたり消化したりする働きがあります。胃の各部位は入口から出口に向かって、噴門部、胃体部、胃角部、前庭部、幽門部と呼ばれます。食道とつながる部分を噴門と言い、胃の内容物が逆流しないような機構を備えています。十二指腸とつながる部分を幽門と言い、胃で消化された食べ物の量を調節しながら十二指腸へ送り出しています。

胃がんとは

胃の壁は、内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜という5つの層でできていて、胃がんの多くは、粘膜内の細胞ががん化することで発生し、大きくなりながら胃壁の内部に入りこんでいき、外側に向かって広がり進行していきます。がん細胞が血液やリンパ液の流れによって胃から離れた臓器で留まり増える「転移」や、胃壁の一番外側の漿膜を越えてお腹全体に散らばる「腹膜播種」が起こることもあります。また、胃がんのうち、がんが粘膜、粘膜下層に留まっているものを「早期がん」、固有筋層よりも深い層まで進行したものを「進行がん」と呼びます。 その他、「スキルス胃がん」という胃壁を厚く硬くさせながら広がっていくものもあります。

なお、日本で「胃がん」と新たに診断された人は、約126,000例(男性約86,900例、女性約39,100例)で、男女とも50歳を過ぎて早期がんで見つかることが多いため、根治率が高く死亡率は低下しています。胃がんと診断される割合は、女性より男性が高くなっています。

胃がんの症状SYMPTOMS

胃がん早期であれば自覚症状はほとんどありません。かなり進行していても症状が無い場合もありますが、 一般には、がんの進行によって次のような症状が現れるとされています。

みぞおちや臍の上辺りの痛み、不快感、違和感
胸やけ
吐き気・嘔吐、食欲不振

がんができると消化管の内側の空間(内腔)が狭くなり食物がうまく通過できなくなることで起こる、合併している胃炎や潰瘍で起こることもある

吐血(血を吐くこと)・下血(ノリのような黒い便が出ること)

がんの表面が崩れて出血することで起こる、合併・併存する胃潰瘍で起こることもある
少量の出血であっても持続的に起こっていると貧血になる

痩せ、全身倦怠感(だるさ)

食欲不振や吐き気・嘔吐などで起こることがある
きちんと食事をしていても栄養ががん細胞に取られることで起こることがある
がんからの出血のために起こることがある

腹部膨満(お腹が膨れること)

腹膜播種によってお腹に水が溜まった状態になると起こることがある

胃がんの原因CAUSE

胃がんが発生する要因としてまず挙げられるのは、ヘリコバクターピロリ菌の感染 です。
ヘリコバクターピロリ菌とは、ピロリ菌とも呼ばれ、胃や小腸に住みついて炎症や潰瘍を起こす細菌です。ピロリ菌に感染している人全員ががんになるわけではありません が、胃がんや悪性リンパ腫の一部の発生にはピロリ菌が関わっていると考えられています。 50歳以上の人の7割以上が感染していた時期もありましたが、以前に比べて近年では感染率は低下している ことから、胃がん発生率も減少しています。
他に、胃がん発生のリスクを高めるものとして、喫煙、食塩・高塩分食品摂取、ストレス、大量飲酒、刺激物などがあります。

胃がんの検査CHECKUP

胃がんが疑われる場合、症状や視診・触診・聴診など全身の診察を行い、それを参考にして次のような検査を行います。検査には大きく2種類、「がんかどうかを調べる検査」と「がんの進行度を調べる検査」があります。

がんかどうかを調べる検査

胃内視鏡検査(胃カメラ検査)

口や鼻から管の先端に付いた内視鏡を挿入し、がんが疑われる部位・場所や広がり、深さを直接見ることができる

胃透視検査(胃バリウム検査)

胃全体の形や粘膜の凹凸などの状態や変化をレントゲン写真で確認する

ABC検査

ピロリ菌感染の有無を評価する抗体と胃粘膜の萎縮度を評価するペプシノーゲンをから測定し、胃がんのリスクを判定する血液検査

生検・病理検査

胃内視鏡検査や腹腔鏡検査の際に採取した組織に、がん細胞があるか、どのような種類のがん細胞かを顕微鏡で調べるがんの確定診断に用いられる

がんの広がりを調べる検査

CT検査、MRI検査、PET検査

がんの深さ、隣り合う臓器(膵臓、肝臓、腸な)どへのがんの広がり、離れた臓器やリンパ節などへの転移を調べる
CTはX線、MRIは磁気を利用して体の断面を撮影する
PETは放射性フッ素を付加したブドウ糖を注射し、がん細胞に取りこまれたブドウ糖の分布を画像にして、がんの広がりや転移を調べる
治療の効果や再発の有無を確認する時にも行う

腫瘍マーカー

血液中にがんが分泌する特定の物質がないかどうかを調べる
治療効果や再発の判定にも役立てる

審査腹腔鏡検査

腹膜への転移が疑われる場合に腹腔鏡でお腹の中を観察する

胃がんの治療方法MEDICAL TREATMENT

胃がんの治療法は、がんの進行度や患者さんの体の状態によって異なります。
胃がんの進行度は「ステージ」と呼ばれる病期で分類され、がんの深さの程度を表す「T」、リンパ節転移の有無・程度を表す「N」、遠隔転移(遠くの臓器への転移)の有無を表す「M」という3つのカテゴリーを組み合わせて決定されます。
治療方法としては大きく3つ、内視鏡治療、手術、薬物療法(化学療法)があります。

内視鏡治療

ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

高周波ナイフでがんを切り取る、近年普及している

EMR(内視鏡的粘膜切除術)

がんに輪状のワイヤーを掛けて切り取る

手術

開腹手術

胃と周囲のリンパ節を切除する。がん細胞を全て取り除くことで治癒を目指す

腹腔鏡下手術

腹部に小さな穴を数か所開け、カメラや器具を挿入しモニターでお腹の中を観察しながら胃を切除する
術後の痛みや呼吸機能低下、出血量が少ないなど、開腹手術に比べ患者さんの負担が小さい 

薬物療法(化学療法)

手術によってがんを取りきることが難しい進行・再発がんの場合

一次化学療法から段階を踏んで二次、三次と治療を続ける

術後補助化学療法

手術後の再発を予防する目的で行う

術前化学療法

手術可能な患者さんに対して手術を成功させるために行う
※化学療法では使用する薬剤によってさまざまな副作用が現れます。
その他、患者さん本人にしかわからない辛さに対して、緩和ケアや支持療法、身体機能の低下に対するリハビリテーションなどがあります。

緩和ケア

がんと診断された時から必要に応じて、体や心のさまざまな苦痛に対する症状を和らげ、患者さんその人らしく過ごせるように、生活の質(QOL)を維持するために行われる

支持療法

がんそのものによる症状、治療に伴う副作用、合併症、後遺症などによる症状を軽くするために行われる予防や治療、ケア