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アニサキス

ANISAKIS

アニサキスとはABOUT ANISAKIS

アニサキスとは線虫という種類の寄生虫です。ヒトに影響を及ぼすのはその幼虫で、白色で体長2~3cm、幅0.5~1mmほどの太めの糸のような外観をしています。その大きさから肉眼で確認することが可能です。
アニサキスはクジラやイルカを終宿主とし、その体内で成虫になりますが、海水中に卵を孵化させます。卵から孵った幼虫を第一中間宿主であるオキアミが食べ、これをサバやアジ、イカやサケなど私たちになじみのある海産魚介類が食べます(第二中間宿主)。ヒトがこれらの魚介類を食べることで、ヒトの胃や腸の壁にアニサキスの幼虫が入り込み、食中毒を発症します。
海産魚介類を生で喫食する日本人の食習慣では、古くからあった病気だと考えられており、現代でも多発する寄生虫症です。海外諸国と比べても圧倒的に症例数が多い病気で、日本近海で獲れる海産魚介類のうち感染源となるものが160種以上あるとされています。
なお、アニサキス幼虫を喫食することでみられるアレルギー症状が現れる場合は、特にアニサキスアレルギーと呼ばれています。 

アニサキスの症状SYMPTOMS

アニサキス症は、症状や体内のどの場所にアニサキス幼虫が生息しているかによって、次のように分類することができます。

胃アニサキス

劇症型胃アニサキス症

原因となる魚介類の食後8時間以内~十数時間で、みぞおちの激痛、吐き気・嘔吐が現れる
アニサキス症のほとんどがこれにあたる

緩和型胃アニサキス症

自覚症状なし
※過去の感染によって免疫機能が働き、より敏感に反応するようになることから劇症型となりますが、初感染の場合は異物反応だけに留まるため、軽症の緩和型になると考えられています。 

腸アニサキス

原因となる魚介類の食後十時間以内~数日で、下腹部の激痛、嘔吐、発熱、頻脈などの腹膜炎症状が現れる
腸閉塞や腸穿孔を併発するケースもある

消化管外アニサキス症

アニサキス幼虫が消化管を突き抜けて腹腔内に出てしまい、大網や腸間膜、腹膜皮下などの部位に移行し、肉芽種(慢性的な炎症に基づいてできる腫瘤)を作ることがある
アニサキス幼虫が寄生した部位ごとに症状が異なる

アニサキスアレルギー

原因となる魚介類の食後に蕁麻疹や血管浮腫、気管支けいれんなどが現れる。
全身の発疹、血圧低下、呼吸困難、嘔吐などのアナフィラキシーなどを起こすこともある 。

アニサキスの検査CHECKUP

胃アニサキス症の場合は、胃内視鏡検査の際にアニサキス幼虫の発見後、そのまま内視鏡を用いて専門の器具(鉗子)でアニサキス幼虫を摘出するのが一般的な治療方法です。摘出すると症状が改善されます。
腸アニサキス症の場合は、内視鏡検査検査を行うことができないため、 現れている症状に対する治療(対症療法)となり、アニサキス幼虫が死滅し症状が和らいでいくのを待ちます。 腸閉塞などの場合には外科的治療(手術)が行われることもあります。
また、開腹手術を行うことで初めて、アニサキス症であったことがわかることも少なくありません。
消化管外アニサキス症の場合は、手術において摘出した腸管について詳しく調べる顕微鏡検査を行った結果、アニサキス幼虫が発見されることもあります。
アニサキス幼虫を駆除する薬剤はありません。

予防法

アニサキス症を予防するためには、やはり魚介類の生食を避けることにあります。60℃で1分以上の加熱処理や、-20℃で24時間以上の冷凍処理をすることで、アニサキス幼虫の感染性が無くなります。一旦冷凍したものを解凍しての生食であれば、感染予防になります。
また、アニサキス幼虫の習性から、新鮮なうちに内臓を摘出することも予防の一環となります。調理前に食材をよく見て確認することも大切です。
なお、酢や醤油、わさびなどの調味料や薬味によって、アニサキス幼虫が死滅することはありません