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下痢

DIARRHEA

下痢とはABOUT DIARRHEA

下痢とは、大便に含まれる水分が増加した状態で、形のない便が頻繁に排出されることを言います。たいていは数日でおさまることが多いですが、中には緊急な受診が必要な下痢もあります。2週間以内に改善する下痢を「急性下痢」、2週間~4週間以内の下痢を「遷延性下痢」、4週間以上続く下痢を「慢性下痢」といいます。

また、消化管での水分出納バランスのメカニズムによって、4つのタイプに分けられます。

浸透圧性下痢

食べたものの浸透圧が高く、腸での水分吸収が妨げられてしまった状態です。糖分の消化吸収がうまくできないときや、人工甘味料の摂り過ぎなどで起こります。乳糖不耐症(牛乳でお腹をこわす)もこれに含まれます。

分泌性下痢

浸透圧性下痢とは反対に、腸からの水分分泌が増えた状態です。腸に入った細菌やホルモンなどの影響で腸液が多く分泌されます。

滲出性下痢

腸に炎症が起きて、細胞内の液体や血液成分などが腸内に染み出た状態です。

ぜん動運動性下痢

便を送り出す腸の働き、ぜん動運動が活発過ぎる状態です。短時間で消化物が通過するため、腸内での水分吸収が不十分になってしまいます。

下痢の症状SYMPTOMS

形のある健康な便の場合、通常水分量は60~70%ですが、80~90%になると柔らかめの便(軟便)から泥便状になります。さらに90%以上で水様便(下痢便)になります。
腹痛や腹部の不快感を伴いながら、下痢便の排出を繰り返します。通常の下痢であれば、水分補給などに気を付けて過ごすうちに症状は改善しますが、症状によっては速やかな受診が必要な場合があります。たとえば、激しい下痢・腹痛、血便、嘔吐発熱、排便後もおさまらない腹痛、脱水症状、症状の悪化、などです。また、同じものを食べて下痢になった人が身近にいる場合は、原因にも注意が必要です。

下痢の原因CAUSE

急性下痢の原因でもっとも多いのが、食べ過ぎ、飲み過ぎなど食生活によるものです。脂っこい食事や、アルコール、人工甘味料や香辛料などの摂り過ぎにより、一時的な消化不良が起きて、下痢を引き起こします。
ストレスやお腹の冷えなど生活習慣、抗生物質などの薬が原因で下痢が起こることもあります。
また、症状が4週間以上続く慢性下痢は、何らかの病気が原因となっている場合があります。(過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎など)

その他には、感染症や食中毒による下痢があります。乳幼児や高齢者は脱水症状を起こしやすいため早めの受診が大切です。特に、同じ家族の中や職場での食事、外食をした後などで、同じものを食べた人たちの中で下痢をしている人が居る場合は、食べ物や食事環境に付着していた何らかの病原性の微生物(細菌やウイルス)が原因となっていることがあります。

下痢の検査CHECKUP

まずは問診を行い、発症時期から急性下痢か、慢性下痢かに分けて診断を進めます。視診によって脱水状態がないか、また触診や聴診で、腹部に圧痛などがないか、腸音の状態を診ます。また、必要に応じて血液検査や、便検査、大腸内視鏡検査などを行います。
感染症の場合は症状から診断がつきますが、迅速診断キットによる抗原検査や、病原体の検出によって検査診断が行われます。
慢性下痢の場合も、急性下痢と同じように診断を進めます。血液検査や便検査を行い、便潜血がある場合は、速やかに大腸内視鏡検査や注腸造影を行います。異常が疑われれば、さらに小腸内視鏡検査を検討することもあります。
また疾患の識別診断を行う場合CT、MRI、超音波検査なども行われます。

下痢の治療方法MEDICAL TREATMENT

食生活が原因の下痢の場合、食事療法や対症療法によって、通常は1~2日で治ります。

薬剤が原因の下痢の場合は、薬剤を変更して様子を見ます。

食中毒・感染症が原因の場合、軽い下痢であれば、症状に応じた対症療法によって数日で改善します。しかし、細菌やウィルスの種類によっては、嘔吐や発熱などその他の症状が現れるため、速やかな抗生物質投与や点滴治療が必要です。また、腸内にある毒素などを排出させるために下痢止め薬を使わないケースもありますが、体力の消耗や脱水症状があり危険な状態になりかねない場合は、適切に薬を使用し対処することが大切です。

過敏性腸症候の治療には薬物療法、食事療法、運動療法を行いますが、改善しない場合は心理療法も検討されます。これは、過敏性腸症候群の原因として、ストレスなどの心理的な要素があるためです。

潰瘍性大腸炎は、いまだ完治できる治療方法がないため、薬物療法によって腸の炎症を抑えて症状をコントールします。重度の場合は外科的治療が行われます。

クローン病は、主に栄養療法や薬物療法が行われます。腸閉塞などが見られる場合は外科的治療が必要です。