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潰瘍性大腸炎

ULCERATIVE COLITIS

潰瘍性大腸炎とはABOUT ULCERATIVE COLITIS

潰瘍性大腸炎は、大腸の最も内側の層である粘膜の炎症が長期間に及び、粘膜がただれたり欠損したりする「びらん」や、粘膜より深い層まで欠損する「潰瘍」ができる病気です。炎症は直腸から口の方向に向かって広がり、多くは活動期と寛解期を繰り返します。発症する年齢のピークは30歳までの若年層ですが、小児や高齢者などの年齢層にもみられ性差はありません。
また、潰瘍性大腸炎にはいくつかの基準による分類があります。

症状の強さ(重症度)による分類と患者さんの割合

軽症 60%以上
中等症 30%
重症及び劇症 5%未満

病気(炎症)の範囲による分類

直腸炎型・・・炎症が直腸だけ
左大腸炎型・・・炎症が直腸から下行結腸まで
全大腸炎型・・・炎症が横行結腸から口側まで

病気がどのような時期にあるかによる分類

活動期・再燃期・・・症状が悪化している時期
寛解期・・・症状が落ち着いている時期

病気がどのような時期にあるかによる分類

再燃寛解型
慢性持続型
急性劇症型
初回発作型

潰瘍性大腸炎の症状SYMPTOMS

潰瘍性大腸炎では、赤い血が混じった便(血便)、粘性のある便(粘液便)、腹痛、頻回の軟便(下痢)などが多くみられますが、重症度や病気の範囲によって変わります。
例えば、軽症の場合には血便はあまりみられませんが、重症化すると出血が混じった水のような下痢(水様性下痢)や腹痛などのほか、発熱や倦怠感、脈拍数が増える(頻脈)、食欲不振、貧血、体重減少などの全身症状が現れることもあります。皮膚や眼、関節など腸管以外の部位に合併症が起こることもあります。
直腸炎型の潰瘍性大腸炎は、初期症状として血便だけがみられることが多いため、痔と間違えられやすい病気です。また、長期にわたって症状が続いている、良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いのが特徴ですから、食中毒や服用しているお薬などによる腸炎とも異なります。

潰瘍性大腸炎の原因CAUSE

潰瘍性大腸炎の原因は、はっきりと分かっていません。何らかの遺伝的な要素や、腸内細菌や食生活の変化などの環境的な要素が複雑に関与し、異常な免疫反応が炎症を起こすのではないかと考えられています。
家族内での発症や欧米での近親者の患者割合に関する報告などから、特定の遺伝子の関わりについての研究が世界中で進められていますが、現在のところ、全ての患者さんに該当するような研究結果がでていません。日本では、「指定難病」の一つとなっています。

潰瘍性大腸炎の検査CHECKUP

潰瘍性大腸炎では次のような検査を行います。

血液検査

病気の活動性、貧血の有無、栄養状態のほか、治療薬による副作用の有無や強さを調べます。

便検査

便検査は2つあります。一つは、便に混じった微量の出血を調べる「便潜血検査」で、もう一つは、便の中に病原菌がいないかを調べる「便培養検査」です。

大腸内視鏡

潰瘍性大腸炎においては、炎症の程度から重症度を判断したり、炎症の範囲を確認したりすることが可能で、とても重要な検査です。
「大腸カメラ」とも呼ばれ、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内側を詳しく観察します。管を奥から手前に抜きながら大腸を観察します。先端から器具を装着できるので、実際の様子を確認しながらポリープを切除したり、詳しい検査のために細胞を取ったりすることが可能です。また、出血している場合は止血することもできます。

CT検査

重症の腹痛や下痢、血便の場合に、腸管に穴が開いていないか(穿孔)や他の腹部の病気と区別するために行うことがあります。また、内視鏡検査を行うことが難しいような重症ケースでは、炎症範囲を確認するために行うこともあります。

潰瘍性大腸炎の治療方法MEDICAL TREATMENT

潰瘍性大腸炎の治療は、重症度や病態、病期などによって異なりますが、寛解状態に落ち着かせて楚の期間を長く維持することが重要となります。
軽症や中等症の場合は、薬物療法が基本となります。5-ASA製剤を服用しますが、坐薬や肛門からの注入薬や浣腸タイプものもあり、病期の型に応じて使うことができます。5-ASA製剤の効果が不十分である場合には、ステロイド剤を使用し、ステロイドの効き方に応じて免疫調節薬を使用したり、血球成分除去療法を行い、炎症を取り除く方法をとることもあります。
重症の場合は、入院し脱水、低カリウム血症を中心とした電解質異常、栄養障害や貧血の対応を行います。
劇症の場合は、病気の見通しが良くない(予後不良)ため、手術を行うかどうかを短期間で判断することになります。
薬物療法の効果不十分の重症の場合や薬物療法が行えない場合、穿孔や大量出血など腸管合併症、大腸がんやその疑いがある場合は手術適応となり、基本的には大腸全摘を行います。