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腹痛

STOMACH ACHE

腹痛とはABOUT STOMACH ACHE

「お腹が痛い」ことを腹痛といい、日常生活でよく見られる症状の一つです。 ひとくちに「お腹」と言ってもその範囲は広く、腹膜と呼ばれる薄い膜に囲まれている範囲を「腹部」としています。具体的には、横隔膜(胸部との境目になる膜状の筋肉)より下で、鼠径部(脚の付け根部分)より上の広い領域です。
お腹には多くの臓器が存在していて、腹部食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門といった消化管を始め、消化管以外の消化器(肝臓、胆のう、膵臓、脾臓)があり、その後ろ側(背部)には泌尿器(腎臓、尿管、膀胱)、その下側(下腹部)には生殖器官(女性は子宮、卵巣、卵管、男性は精管)があります。
よくみられる症状「腹痛」ですが、自然に治ってしまうようなものから、生命に関わる緊急手術が必要となるものまでさまざまです。これは腹部の臓器がかなり多いことにより、腹痛の原因となる病気が非常に多岐に渡っているからです。さらには、腹部以外の臓器が原因となることもあるのです。 お腹の部分は大きく7つに分けて呼ばれることがあり、どの部分に痛みが現れているかによって原因となる病気や臓器を推定するポイントとなります。

腹痛の症状SYMPTOMS

痛みはその性質によって大きく3つに分けられています。

内臓痛

  • 内臓が感じる痛みのこと、臓器のぜん動で起こる、内臓神経を介する痛み
  • 鈍痛で、現れ方に波がある、痛む場所がはっきりしないお腹全体が痛む感じがする
  • 吐き気や冷や汗などの症状が起こることもある

体性痛

  • 腹膜、腸間膜、横隔膜などの視覚神経が受ける刺激によって起こる痛み、緊急性が高いことが多い
  • 鋭い痛み、痛む場所がはっきりしている

関連痛

  • 障害されている場所と神経でつながった、離れた別の部位での痛み

腹痛にも、急に起こる腹痛、長く続く腹痛、痛くなったりそうでなかったりする腹痛など、いろいろな種類があります。また、いつ起こっているのか、痛みの程度、腹痛以外の別の症状を伴っているかなども、腹痛の原因によって違います。
なお、次の症状などに当てはまる数が多いほど重症であることが多いため、要注意です。早急に医療機関を受診するようにしましょう。

  • 腹痛が現れてから短時間で激痛になる
  • 吐血・下血、黄疸(おうだん)、発熱などの症状を伴っている
  • 腹痛が現れてから、便やおならが出ていない
  • 歩くと痛い部位に響く
  • 体重が減っている
  • 痛みで寝られない、目が覚める

腹痛の原因CAUSE

さまざまな原因が考えられる腹痛ですが、最も頻度が高いのは消化器の病気です。なかでも次の病気が原因としてよく見られています。

感染性腸炎

細菌やウイルスの腸管感染、汚染された食物の摂取、特殊な微生物が原因
腹痛に加え、下痢、嘔吐、発熱、血便などを伴う

過敏性腸症候群(IBS)

腸の検査では異常がみられない、腸の機能異常が原因と考えられている
腹痛に加え、慢性的に下痢や便秘などの便通異常があり、排便によって腹痛が軽くなる

虫垂炎

一般に「盲腸」として知られる病気、右下腹部にある虫垂という臓器の炎症
みぞおち辺りから右下腹部へと4~5時間で痛みが移っていく、その間に吐き気や食欲不振が起こり、右下腹部痛が現れると発熱するのが典型例
重症化すると腹膜炎を起こし、生命に関わることもある

腸閉塞症(イレウス)

腸管の通過が障害された状態、血行障害を伴うケース(絞扼性イレウス)と伴わないケース(単純性イレウス)がある
腹痛の現れ方は、絞扼性イレウスの場合鋭い痛みが持続、単純性イレウスの場合は強くなったり弱くなったり(無くなったり)を周期的に繰り返す
腹痛に加え、通過障害による吐き気・嘔吐、腹部膨満感、排便とおならの停止がみられる

胃潰瘍、十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の壁の粘膜が深く傷ついてる状態
胃潰瘍:食後の上腹部痛
十二指腸潰瘍:空腹時や夜間の腹痛、ただし食事をすると軽快することが多い
上記腹痛に加え、に加え、背部痛、胸やけ、胃もたれ、食欲不振、吐血、下血など
傷がより深くなり壁に穴が開く「穿孔」になると、持続的な非常に強い腹痛、発熱

急性膵炎

膵臓の急性炎症、飲酒や胆石がきっかけで発症することが多い
上腹部の激痛に加え、吐き気・嘔吐、背部痛が現れることが多い
重症化すると生命に関わる

胆石発作

胆のうにできる結石が胆のうの中で動いたり、はまり込んだり、結石によって胆汁のよどみや細菌感染によって起こる
右季肋部(みぞおちの右側辺り)やみぞおち、右側腹部(右季肋部の下辺り)、おへその上辺りの痛みなど人によって痛む部位が異なることも多い
痛み方も、刺鋭くさすような痛み、張った感じ、鈍痛などさまざまな腹痛に加え、発熱や嘔吐が現れることもある

腹痛の検査CHECKUP

腹痛の原因を調べるために次のような検査を行います。

尿検査 色と量、糖を確認する
便検査 便潜血、血便、細菌性腸炎が疑われる場合は培養
血液検査 一般的なもの、臓器の働きを反映する肝機能、腎機能、アミラーゼ、電解質
腹部レントゲン検査 臓器の腫れや大きさ、ガスの様子、骨の異常などを確認する
超音波検査 胆石、腹部大動脈瘤、腹水の有無など
心電図 心筋梗塞や狭心症の有無を確認する
CT検査 消化管穿孔、血管の病変の確認に有用
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ) 潰瘍や腫瘍の確認
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ) 潰瘍や腫瘍の確認

腹痛の治療方法MEDICAL TREATMENT

問診のほか、触診、視診、聴診、打診などのお腹の診察、検査の結果から総合的に判断し原因を特定し、その原因に応じた治療を行います。
急性腹症と呼ばれる種類の病気が原因である場合には、緊急手術や処置が必要になることもありますし、内視鏡を用いた処置や特殊なカテーテル治療で応急処置を行うこともあります。それ以外の腹痛であれば、内科的に原因となっている病気の治療を行うことが一般的です。