吐き気とは
吐き気とは、吐いて(嘔吐)しまいそうな時に起こるむかむかとした不快感のことで、嘔気(おうき)や悪心とも言います。嘔吐とは、脳の中の脳幹と呼ばれる部分にある嘔吐中枢が、何らかの原因によって刺激されることで、胃が強く収縮し、胃の中にある物が食道へと押し上げられ口から出ることです。
吐き気とは、吐いて(嘔吐)しまいそうな時に起こるむかむかとした不快感のことで、嘔気(おうき)や悪心とも言います。嘔吐とは、脳の中の脳幹と呼ばれる部分にある嘔吐中枢が、何らかの原因によって刺激されることで、胃が強く収縮し、胃の中にある物が食道へと押し上げられ口から出ることです。
嘔吐は、嘔吐中枢の刺激が受け方によって、嘔吐中枢が直接刺激を受けたことにより起こる「中枢性嘔吐」、自律神経を介して間接的に内臓からの反射によって現れる「末梢性(反射性)嘔吐」に大きく分けられ、原因となる病気が異なります。また、味やにおい、激しい情緒変化などによるものを「心理的嘔吐」とすることもあります。
たとえば、脳内の病気や、バセドー病など体の中での代謝の異常、アルコールや薬物の中毒、貧血や高山病のような酸素欠乏、精神疾患、視覚や嗅覚の刺激などによるものは、中枢性嘔吐にあたります。
また、消化器疾患や心疾患、呼吸器疾患、腎臓や泌尿器・婦人科の疾患、口腔内の刺激、中耳炎やメニエール病などによるものは、末梢性(反射性)嘔吐にあたります。
吐き気に続いて嘔吐することが多いのですが、吐き気のない嘔吐が起こることもあります。
また、吐き気や嘔吐が起こった場合に注意すべきポイントとして、次のようなことがらが挙げられます。
原因を特定するためには前述のような、吐き気・嘔吐についての情報が必要になります。
吐き気や嘔吐の原因は大きく6つのカテゴリーに分けられています。
このように吐き気・嘔吐はさまざまな病気が原因となります。中でも最も多いのが、急性胃腸炎や食中毒によるものです。また、慢性的な吐き気・嘔吐であれば逆流性食道炎や機能性ディスペプシア(FD)などが原因となることもあります。
しかし、上記のとおり胃や腸といった消化器系の病気だけが原因となるとは限らず、生命に関わるような病気が原因となることもあります。また病気だけが原因となるわけではありません。解熱鎮痛剤や血糖を下げるお薬、抗菌薬など普段服用しているお薬によって、吐き気・嘔吐が引き起こされることもあります。経験されている方もあるかもしれませんが、日常生活の中での暴飲暴食やストレスなどが原因となることもあるのです。
また、実際に吐き気・嘔吐が現れるよりも前に起きたことが、原因となることもあります。たとえば過去に開腹による手術や、放射線治療を受けたことがある、新しい家(改装も含む)に転居したような場合も、吐き気・嘔吐の症状がみられることがあります。さらに、ダイエットをしている(していた)場合は、肥満や食物への嫌悪感から、食べ物を見ると吐き気・嘔吐が起こる、ということもあります。
問診や身体診察に加え、必要に応じて血液検査を行います。血液検査では、全身の炎症反応や肝機能、電解質のバランスや腎機能の状態などについて確認します。さらに、尿検査や腹部の画像検査などを行うこともあります。
その他、詳細な問診によって得られた情報を基にして、例えば食事と関連した吐き気や嘔吐すると判断された場合には、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)を行ったり、吐物の状況からイレウスが疑われる場合や腸閉塞の疑いがあれば腹部CT検査を行ったりします。また、感染性胃腸炎が疑われる場合は、必要に応じて原因となった病原体を特定するための便検査を行うこともあります。
吐き気・嘔吐の治療の基本は、原因となる病気に対する治療 となりますが、辛い症状を一時的に抑える制吐剤(吐き気止めのお薬)が用いられることが多いです。脱水症状がみられる、経口摂取が難しいケースにおいては点滴にて水分や電解質を整えます。制吐剤も点滴投与が可能です。なお、制吐剤には多くの種類があり、中枢性嘔吐か末梢性(反射性)嘔吐かなどによって使い分けられています。
原因が明らかでないケースや原因となる病気の治療が難しい場合には、現れている症状を和らげるお薬を用いる治療(対症療法)を行うこともあります。