大腸がんは予防できる?今すぐ知ってほしい本当の話
「がんは予防できない」と思っていませんか?
大腸がんになったら―
転移するの?
人工肛門になるの?
命に関わることもあるんでしょ?
確かに、大腸がんは進行すると肝臓や肺、脳などへ転移することがあります。
腸閉塞を起こすこともあります。
部位によっては人工肛門が必要になることもあります。
命に関わることもあります。
だからこそ、「怖いがん」という印象を持つ方が多いのです。
――しかし――
実は、大腸がんは「予防できる可能性が高いがん」のひとつなのです。
現在、日本では大腸がんは、がん罹患数第1位(日本人の癌の中で最も多いのは大腸がん)、そして女性のがん死亡原因第1位です。
それだけ身近で重大ながんでありながら、大腸がんには他のがんにはない大きな特徴があります。
がんになる前に取り除ける
多くの大腸がんは、
ポリープ(腺腫) → がん
という段階を経て発生します。
つまり、ポリープの段階で発見し切除すれば、
がんになる前にリスクを下げることができるのです。
これは単なる早期発見ではありません。
「がんの芽を摘む」という意味での予防です。
ポリープ=大手術ではありません
「ポリープを取る」と聞くと、
大きな手術を想像される方もいます。
しかし多くの場合、
内視鏡検査中にそのまま切除することが可能です。
近年では、NBI拡大観察(特殊な光と拡大機能を用いた観察法)により、その場でがん化しやすい腺腫や鋸歯状腺腫を高い精度で見分けることができます。
小さな病変であればその場で内視鏡的に切除。
やや大きくても深く入り込んでいない病変であれば、
EMR(内視鏡的粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術:要入院)といった
内視鏡治療で完結するケースが多くあります。
早く見つければ、小さく済む。
これが大腸がんの大きな特徴です。
手術になったら人工肛門?
大腸がん=人工肛門、というわけではありません。
手術が必要になった場合でも、
がんの場所や進行度によっては永久的な人工肛門にならずに済むケースが多くあります。
問題は、進行してから見つかることです。
便潜血が陰性なら安心?
便潜血検査は大腸がん発見の有効な検査です。
しかし、ポリープの段階では出血しないことがあり、
早期がんでも陰性になることがあります。
便潜血は「出血している病変を見つける検査」であり、
ポリープを確実に見つける検査ではありません。
症状がある場合は保険診療の対象です
一定の年齢を超えた方で(特に40歳以上)、
- 便秘や下痢が続く
- 便が細くなった
- 腹痛やお腹の張りがある
- 血便がある
といった症状がある場合には、
保険診療で内視鏡検査を行うことが可能です。
症状があるのに様子を見る必要はありません。
生活習慣も重要です
もちろん、大腸がんは生活習慣とも関係があります。
- 食物繊維の不足
- 肥満
- 運動不足
- 喫煙
- 飲酒
などはリスクを高めることが知られています。
食物繊維は腸内細菌によって発酵され、
短鎖脂肪酸(酪酸など)を産生し、腸の炎症を抑える可能性が示されています。
ただし、生活習慣だけで完全に防げるわけではありません。
だからこそ、
生活習慣の改善 × 内視鏡検査
この両輪が重要なのです。
大腸がんは「見つける病気」ではなく「防ぐ病気」
怖い病気であることは事実です。
しかし同時に、行動によって未来を変えられるがんでもあります。
ポリープの段階で取り除く。
適切なタイミングで検査を受ける。
生活習慣を整える。
それだけで、
10年後、20年後のリスクは大きく変わります。
まとめ
大腸がんは、完全にゼロにできる病気ではありません。
しかし「最も予防に近づけることができるがんの一つ」です。
正しい知識と、正しい選択が未来を守ります。
大腸がんは「見つける病気」ではなく、防ぐ病気です。
現在は、鎮静剤を使用し、うとうとしている状態、あるいは眠っている間に検査を行うことが可能です。
「苦しいのでは?」と心配される方も多いですが、鎮静剤を用いることで苦痛をできるだけ軽減し、安心して受けていただける環境を整えています。
また、「もし病気が見つかったら怖い・・」と不安になり、検査を先延ばしにしてしまう方も少なくありません。
しかし、人生のうちで最も若い「今」のうちに検査を受けていただくことで、問題がなければ安心を得ることができます。万が一異常が見つかった場合でも、その状態に応じた適切なご案内が可能です。
検査は不安を増やすためのものではありません。未来をより良い方向へ進めるための一歩です。
今の一歩が、10年後、20年後の未来を大きく変えます。
そしてその一歩を支えるために、
全国の消化器内科医が皆さまをお待ちしています。
