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NBI(狭帯域光観察)

癌等の増殖には、血管からの栄養補給を必要とするため、病変近くの
粘膜には、多くの小さな血管が集まりやすくなると考えられています。
従って、この小さな血管をいち早く発見することが、がん等の病変の早期
発見には重要です。

通常、内視鏡光源からは、粘膜組織を自然な色で再現するために広いスペクトル幅を持つ光が照射されます。一方でこの広いスペクトル幅という特徴は、診断に重要な粘膜表層の血管構築やピットパターンと呼ばれる微細模様などのコントラストを低下させる原因になっていました。NBI(Narrow Band Imaging)は、粘膜組織や血中のヘモグロビンの光学特性に最適化したスペクトル幅の狭い光、狭帯域光を使うことにより、診断に関連する画像特徴のコントラストを向上させ、高い描写能力で表示することができます。

NBIと光学拡大を併用することで微細な粘膜模様や微小血管のより詳細な観察ができ、
内視鏡的な質的診断(腫瘍鑑別)及び量的診断(深達度診断、範囲診断) ができます。

実際に通常の白色光観察では発見が難しいとされてきた癌をNBI観察で確認できたとされる論文が多数発表されています。当院の内視鏡も最新式のNBIを導入しており、特に盲腸、上行結腸、横行結腸など比較的見落としが多いとされる場所を中心にNBIに切り替えながら見落としを少なくするための工夫を行なっております。また80倍までの拡大観察も可能で、瞬時に癌か癌ではないかを診断しその場で適切な治療を行うことができます。

通常の白色光観察です。
NBI観察時
通常の観察では見つけにくい病変もNBI観察時には、茶色の領域(Brownish area)として確認できるため早期発見のために重要です。
NBI拡大観察で癌の疑いがあると考えました。さらにピオクタニン拡大観察などを合わせて観察すると粘膜下層と呼ばれる場所まで浸潤している(比較的深い)癌であることがわかりました。
腫瘍を早期で見つけることができたため外科的手術ではなく内視鏡治療で治療できました。

★苦しくない検査だけでなく、腫瘍発見から治療まで高い質を重視しております★